マンドリン分解してみた

タイトルのとおりです。このページをご覧になる皆様はきっと並みのマンドリン好きではないのでしょうね。自分の好きなものをバラすなんて酷い。サイコキラーの仲間入り。

 

さて、今回バラすマンドリンは、ヤフオクで落札したこちらのSUZUKIです。

 

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ジャンク品として出品されており、300円で落札することができました。

表板にひび割れは無く、ネックも大した反りではありませんでした。

 

が、ペグは固く、アームレストもご覧のとおり欠損しています。納得のお値段です。

 

マンドリンを含め、ヴァイオリンやギターなどの楽器の接着剤としては、膠(にかわ)が用いられているそうです。

膠を溶かすには熱と湿度が必要だそうなので、それを考慮した上で分解に用いる工具は以下のとおりとします。

・アイロン(接着部分を熱する)

・湿らせた手ぬぐい(アイロンと楽器の間にはさむ)

・ドライバー

安い楽器には膠以外の接着剤が使われている可能性もあるそうですが、アイロンの火力をMAXにすればなんとかなるでしょう。

 

手始めに、ペグをはずします。

f:id:Y_Miura:20150905002524j:plainブレてます。

プラスのネジで止めているタイプのネジだったのですが、4本中2本はドライバーですんなり外すことが出来ました。

 


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しかし残りの2本はおそらく錆びて固着しており、ドライバーではびくともしませんでした。

そこでアイロンでネジを温め、冷ました後に回すという手法を用いました。

 

結局それでも外せなかったので、テコの原理で強引に抜きました。


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ペグも同様に回せるネジは回し、回らない部分は力技で。

 


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そして次に、指板を外します。

 

指板の上に湿った手ぬぐいを敷き、火力MAXのアイロンで10秒程度加熱。

 


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こちらはアッサリと剥がれてくれました。指板美しいですね。

 

 


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さて、いよいよボディの方を分解します。

 


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表板はがっちり固定されており、これを剥がす為に側面の細い板を2枚ほど剥がさなければならないようです。

 

こちらも手ぬぐい&アイロンでやっつけます。

 

困ったら加熱しておけばいいんです。

 

そして御開帳


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年代モノなのでホコリとカビがたくさん詰まっており、思わず閉じてしまいました。

臭い物に蓋。

 

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 ホールの中に生きる毬藻(ホコリ)。

 

もう一度勇気を出してあけてみて、中に貼ってある紙もベリべりと剥がしました。


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何の意味があるんでしょうね、この紙。ギターの内側に紙なんて貼ってませんが。

 

ここを見ると、ネックとボディの結合部がよくわかります。

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寄木細工の小手調べと言った感じですかね。

そして表板です。

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なんというか、ですね。

さすが日本で2番目に多い苗字メーカー。まあ、結構古い品ですからね。現在はもっと改善されているでしょう。

 

今回はじめてマンドリンを分解してみたわけですが、やはり裏板の部分が一番の曲者なのでしょうね。

 

あの部分は手作業なのでしょうか。というか全部手作業?

あのラウンドの部分さえなんとかなれば、指板以外は作れてしまいそうですね。

 

最近流行っている3Dプリンターでなんとかならないものでしょうか。

 

あと最後に書いておかなければならないことが一つ。

 

マンドリンを分解する際は、自己責任でお願いします。私は一切責任を負いません。

 

以上