楽器に適した木材の年数

ここ数日、以下の本を読んでいる。

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かなり古い本だが、楽器に関する考察が科学的な、とりわけ物理的な視点から考察されていて読みやすい。僕が物理専攻だからかもしれない。

この本の中に、面白いことが書いてあった。それは、「スギの木は切り倒してから200年が最も硬くなり、1000年ほどたって切りたてと同じ程度の硬さになる」ということ。

 また同様に本の中には、「楽器に使う材料は硬めが良い」とも書いてあった。硬めのほうが反応速度が早いためらしい。

楽器の硬度のことがスギ以外にも同じことが言えるとするならば、1900年前後のオールドマンドリンが銘器として広くマンドリニストに好まれていることも納得できる。

調べてみたら、ヴァイオリンも同じ年代のものがオールドと呼ばれるらしい。

1800年前後に制作されたマンドリンが使われているところをあまり見かけないのは、

  1. そもそもそんな古い時代のマンドリンが現存していないか
  2. 100年ほど経過した木の硬度が楽器に丁度いいか
  3. 楽器に使われる木材(ローズウッド・メイプル・ハカランダ等)の硬度のピークが100年あたりか

だろう。

2,3が真だった場合、今後のオールド楽器の価値はどんどん落ちていくのだろうか。しかしオールド楽器はブランド的なところもあるので、一概には言えない。