『音楽と風景 尾道街角コンサート&ライブ』のスタッフ会合に参加してきた
13日金曜日、以前共にサロンコンサートを開いた門脇に誘われて、尾道某居酒屋で行われた『音楽と風景』のスタッフ会合に参加してきた。
尾道は決して先進的な都市というわけではなく、落ち着いた雰囲気の海沿いの美しい街だった。商店街のあちこちにチョークで描かれた作品や、味のある写真などが飾られていて、大人~な雰囲気が漂っていた。
『音楽と風景』は尾道市主催のイベントというわけではなく、アートを愛する少数の市民によって運営されている催しだった。
僕達は「スタッフとして参加し、イベントの裏側を知れたら良いなあ」ぐらいの軽い気持ちで参加を申し込んだのだが、門脇が口を滑らせ(?)、会合で少し演奏するという流れになった。
2~30人程度のクリエイティブ・ディレクター、フォトグラファー、広告代理店勤務などそうそうたるメンバーによる話し合いで、僕達学生は相槌を打つことで精一杯だった。とにかく資金繰りが大変だということはわかった。
会合も終盤にさしかかり、ついに僕達が演奏する流れになった。
演奏した曲は、『魔女の宅急便より海の見える街』と、『Tanti Anni Prima/A.ピアソラ』の2曲。皆さんの要望にお応えして、『朝日ハノボル/石橋敬三』と『アルハンブラの思い出/フランシスコ・タレガ』もそれぞれソロで演奏した。
大いに喜んでもらえて、片道970円来た甲斐があった。瞳をうるませる方も居た。ホールで演奏するのもいいが、僕はやはりこういうお客さんの反応が直に分かるのが好きだ。アンケートなんか無くても、弾いたあとの反応を見ればいい演奏だったかどうかはお客さんの顔でわかる。
しかし、やはりプロの音楽家から見たら拙い演奏には耐えられなかったようで、いろいろ言われたことを忘れないようにメモっておく。
調弦は曲のキー(調)に合わせたものでなければならない
ドレミファソラシドの整え方には純正律と平均律というものがある。純正律は、周波数の比が単純な整数比である音程のみを用いて規定されている。周波数とは、簡単に言うと1秒間に絃が振動する回数だ。周波数大きいと音は高くなり、周波数が小さいと音は低くなる。
例えばC(ド)を基準にすると、D(レ)は9/8倍、E(ミ)は5/4倍と言った感じ。しかしこれはCメジャーの曲にだけ使えて、他のキーの曲をこの調弦で弾くと気持ち悪くなってしまうらしい。また、途中でキーが変わってしまうような場合も無理が生じる。
そこで解決策というか妥協案が平均律。平均律は音のばらつきを均等にわけることによって、どのキーでも対応できるようにしたもの。
わかりやすい動画を発見したので貼り付けておく。
確かに純正律の響きの方が美しい。
純正律のチューニングをはやいところマスターしよう。
音の向かう方向を考えろ
発する音が飛んで行く方向ではない。ある音から次の音に繋がるときには、きっちりした理由があるらしい。僕の専攻を考慮して、このことをしきりに”ベクトル”と仰っていたが、いまいち内容が掴めなかった。
音楽理論の話かと思い、「音楽理論の入門書を読もうとしたんですけどよくわからなかったんですよね」と言うと、「人の知識に頼らずに自分で考えないとダメだ」と言われた。音楽の基礎がなっている人はそれで良いのだろうが、僕のような素人にそれをするのは無理ではないかと思った。でも入門書すら読めなかったので自分で何とかするしかなかろう。
その方が強く主張していたのが、「感性で入って、理論で裏付けをし、感性で出力する」というものだった。「いいな!」という気付きがあっても、「いいよ!」で終わってはいけない。なぜ「いいな!」と感じたのかを考える必要があると。
音楽でも企画でも、そういった考え方がなければダメだと強く言われた。
とにかく素人なりに、もっと頭を使った練習をしなければならないなと強く思った。かなり収穫のある遠征(?)だった。