自分だけの道具を自分の手で
本日アルバイト先で、勉強会と称した飲み会がありました。そこで同じテーブルについたKさんから面白いお話を聴くことが出来ました。
Kさんは本業が木工職人で、副業として時間があるときにアルバイトをしているそうです。
本業の方では主に家具など作っているそうで、若い頃は修行のために全国各地の職人を訪ねて回ったそうです。
職人は当然ですが、カンナなどの道具にもこだわるようです。良い道具が高いのはもちろんなのですが、良い道具ほど自分に合うように調整をしてやらないと使い物にならないそうです。ホームセンターに売っているようなカンナはそれなりに調整が済んでいるので素人でも使いやすいのですが、プロが使うものとなると事情が異なるらしいです。下手に高い道具を買ってしまうと、自分の手に終えずに「これは粗悪品だ」と一蹴して終わってしまうそうです。
楽器と同じようなものだなと思いながら聞いていました。
良い楽器は買った時からある程度いい音はしますが、日々のメンテナンスを怠ればあっというまに質が落ちてしまいます。アコースティック楽器がとくにそうですね。気で出来ている楽器なんかは、湿度温度によってコンディションがかなり左右されます。
絃楽器は本体と絃の相性があり、これが悪ければ楽器の魅力を最大限に引き出すのが不可能になります。
どんなに良い道具でも、使用者によってパラメータが左右されてしまうのが難しくあり、そこが面白くもあります。
逆に、安い楽器でも手入れ次第で息を呑むような音を生み出すこともあるはず。弘法筆を選ばずということですかね。